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FIRE生活のきっかけとなった自社株IPOについて

私がFIRE生活に踏み出すことができた最大の要因は、長年積み立ててきた持株会のIPO(新規上場)でした。
計画的にFIREを目指していたわけではなく、思いがけない出来事が人生を大きく変えるきっかけとなりました。
この記事では、自社株会の仕組みや上場時に得られた資産、そしてそれがどのようにFIRE生活へつながったのかを振り返ります。

目次

就活時の記憶

今思えばありきたりですが、文系大学生が就活開始した際に手に職を付けたいとふわっと考えてIT業界を志望しました。そして入社した会社説明会では、社長が「うちの会社は持株会があり、上場前の会社の株を購入する仕組みがあります。また、数年以内に東証に上場予定です」と言っていて、当時はIPOの知識は皆無でしたが、持株会があり社員は毎月会社の補助を受けながら会社の株を購入できることと、東証に上場することで社員にも恩恵があるメリットをふわっと感じたことを思い出します。

なんだかんだ、この会社に入社を決めた理由のひとつは「ベンチャー的なチャンスを感じた」ことだった気がします。
ただ、入社後にリーマンショックがあり、業績は悪化。結局、社長が言っていた上場は大きく先送りとなり、実現までには16年以上かかることになります。

持株会について

私の入社した会社の持株会制度は、毎月最大で基本給の10%まで自社株を購入できる仕組みでした。

例えば初任給が23万円だった私は、毎月2万3000円を持株会に拠出することにしました。さらに、会社からは購入額の5%が補助として支給される制度があり、毎月必ず1150円が“配当”のように加算される仕組みでした。

また、給与は年俸制であり、毎年6月と12月にそれぞれ2カ月分の賞与が支給されました。持株会はこの賞与分も自動的に反映されるため、

  • 毎月:2万3000円 × 12カ月 = 27万6000円
  • 賞与:2万3000円 × 4カ月分 = 9万2000円
    合計で年間36万8000円を投資していました。

結果として、約16年間で積み立てた金額は およそ600万円 にのぼります。
今振り返ると、基本給は徐々に上がっていたので、その都度拠出額を増やしていればさらに大きく育っていたな…と感じます。

上場の決定と事前準備について

そろそろ会社を辞めたいなぁと考えていた頃、自社が上場するというニュースが飛び込んできました。この知らせを聞いた瞬間、**「石にかじりついてでも上場までは辞めない」**と決意し、期待に胸を膨らませていました。
ちなみに、上場前に会社を辞めてしまうと、その時点での「上場前株価」で強制的に売却されてしまいます。これは社員持株会特有のルールでした。

上場決定後は、社員は指定の証券会社に口座を開設する必要がありました。私は証券の知識が皆無だったため、うっかり 特定口座を「源泉徴収なし」 で作成してしまいました。結果、確定申告が必要となり、余計な国民年金保険料を100万円近く支払う羽目に…。これから口座を作る人は、よほどの理由がなければ 「源泉徴収あり」 を選ぶのが無難です。

さらに上場直前のタイミングで大規模な株式分割が実施され、数百株だった持株が一気に1万数千株に化けました。その結果、私は社内でも株式保有数の上位者となり、上場時の公式資料に自分の氏名と保有株数が記載されることに…。嬉しいような、微妙なような、不思議な気持ちになったのを覚えています。

上場に伴うテンションアップとロックアップについて

そして、ついに株式上場の日を迎えます。私はすぐに自社株をYahoo!ファイナンスに登録し、スマホを何度もスワイプしては株価の変動に一喜一憂していました。

上場直後は株価が順調に上がり、一時的に資産額が6000万円を超える瞬間もありました。本当はこのタイミングで売却したかったのですが、社員には1年間のロックアップ期間が設けられており、売りたいのに売れないじれったさを感じていました。

あまりに悔しくて「ロックアップ違反したらどうなるのか?」と調べてみたこともあります。ただ正直、システム上で売却できないようにしてくれた方が余計なストレスがなくてよかったのに…と今でも思います。

そしてロックアップ解除の頃には株価が低迷し、資産額は3000万円以下に。ピーク時の半分以下となり、そのまま塩漬け状態で2025年を迎えることになりました。

株式売却からの資産形成スタート

2025年に入り、会社の好決算をきっかけに数年間低迷していた株価が上昇に転じました。数年間の塩漬けを経験していたこともあり、このタイミングで「もう売ろう」と決意し、約1週間かけてすべての株式を売却しました。

結果として、600万円の原資が3700万円の利益を生み、最終的に税引き前で4300万円の現金が手元に残りました。

自社株の譲渡益

そしてこの4300万円を原資として、現在はS&P500や日本の高配当株への投資を始めています。

振り返ってみると、もし入社直後に会社が上場していたら、これほどの資産は得られなかったと思います。16年間上場しなかったからこそ、結果的に大きな資産形成につながったとも言えます。
もちろん、私のケースはかなりレアで再現性は低いですが、こうして得た資金が今のFIRE生活の大きな土台になっているのは間違いありません。

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